世界というものがどうやって出来たのかなんて事は知らない。

 でもそれが「必然」であってほしいと思う。

 そして「必然」から生まれた世界で起きる出来事も全て「必然」であってほしいとも。

 例えそれが

 「あぃたっ」

 どんなことであったとしても。



 01.卵との接触



 は机の上を見つめて悩んでいた。

 「う〜…」

 腕組みをして真剣な表情で悩む少女の視線の先。

 それは――

 「どうしよう、このたまごさん…」

 卵、である。何の変哲もなさそうな丸い二つの卵である。

 変わったところがあるとすれば色だろうか。

 一方は赤、もう一方は青を帯びた色の殻をしている。

 

 事の発端は学校の帰り道。

 特にいつもと変わらない日だった。

 夕日に照らされながらいつも曲がる角をいつものように曲がる。

 そしていつものように真っ直ぐ家に帰る、つもりだった。

 ふと、目に留まった小さな公園。

 母の帰りはいつも遅く、暗い時間でもないから大丈夫だと足を運んだ。

 本当に狭い面積の公園の為、遊具はブランコと鉄棒だけだった。

 ブランコの柱の元にカバンを置いて冷たい鎖に手をかける。

 橙色の光は細く長くブランコの揺れにあわせて影を落とした。

 前へ後ろへと繰り返すリズムを楽しんでいたその時。

 「あぃたっ」

 上から降ってきた物体がココンという音と共にの頭と接触。

 「っ〜〜〜〜??」

 声が出ない程痛む頭を抑える

 自分の身に何が起こっているのか分かっていない。

 ある程度落ち着きを取り戻すと足元に転がっている例の卵を発見。

 何が起きたのか把握した上でその不自然な強度を持つ卵に興味を抱いてしまった。 

 

 そして家に持ち帰り今に至るのである。

 が、持ち帰ったは良いがそれからどうすべきなのかは頭を抱えている。

 「たまごさんって温めるとヒヨコさんになるんだよね?」

 普通の卵なら、の話である。

 色、強度からして普通のものが出てくるとは考えにくい。

 残念なのは必死に訴えたところで彼女には届かないことである。

 「じゃあがお布団でねるときに一緒にお布団に入ったら温まるね!

 学校の間は…タオルに包んでおくのでいいかな?」

 の中で着々と孵化計画が進行していく。

 今は誰も止める人間はいない。 

 「あ、ママには何て言おう…」

 そう、時期に帰ってくるであろう母は止める立場になるかもしれない。

 「……ヒヨコさんになるまで内緒にしよっと」

 それでは母も止めようが無い。

 彼女の計画の妨げは無くなった事になる。 

 果たして孵るとしたら本当にヒヨコが出てきてくれるのか。

 「よーし、必ずがヒヨコさんにしてあげるからね。まってるんだよ」

 卵を撫でる手はあどけなく、微笑む口元も幼さが残る。

 決意した眼だけが優しく、少女の面影を消していた。  

  

 そして始まった「たまごさん孵化計画」。

 1日目から4日目、特に変化は見られない。

 5日目、寝返りをうっている間に卵の上に乗ってしまうというハプニング発生。

 しかし卵の異常なまでの強度によりなんの問題も無し。

 6日目から9日目、特に変化無し。

 そして10日目の夜。

 「まだ出て来ないなぁ…」

 二つの卵をぎゅっと抱きながら呟く

 これだけあたため続けてもダメならもう孵らないのではという不安が過ぎる。

 それを振り払うように頭を振って自分に言い聞かせた。

 「大丈夫、このたまごさんはの頭に落ちてきたもん。

 それはきっとさんとたまごさんが出会う為に落ちてきたんだよ。

 だから大丈夫。が絶対ヒヨコさんにしてみせるもん…」

 卵をしっかりと抱えながら静かに眠りについた。

 

 翌朝。休日ということもあってが起きたのは10時を廻った頃。

 「ふぁ…おはよう、たまごさ…」

 腕の中の卵を見て停止する

 起きたばかりで霞む視界をハッキリさせようと目をこする。

 再び眺めて目の前の光景が本物だと確信する。

 「た、たまごさんがでてくる!!」

 卵のてっぺんから亀裂が走っている。

 まだそれは浅いものだが、卵が微かに動いているのもわかる。

 待ちわびた孵化の時が来たのである。

 「わぁ、がんばれ、がんばれっ」

 は唯見守るしかない。

 卵は時間と共に亀裂の数が増していく。

 見守るの眼は不安と期待が交じり合って揺らいでいる。

 祈るように手を組みながら必死に無事を念じる。

 そしてついに青の卵から殻が剥がれ、赤も続いた。

 「わー!!たまごさんがヒヨコさんにっ…」

 中から出てきたのはの期待通りのヒヨコ…

 「……あれ?」

 そう、ヒヨコが…出てこなかった。

 出てきたのは手のひらサイズの人……のような生物。

 「…ヒヨコさん?」

 明らかに違う生命体とは暫く互いを見つめながら停止していた。

 

 










 「はじめまして」と微笑んだのはもう少し後だったね。

 
 はい、初夢でございました。
 私は普通にお兄タンとかダンテとかに愛されたいとも思うけども、
 チビ半魔双子欲しいんですとも。
 育てたいのですとも。
 毎日胸ポケットに二匹を収めて学校に行きたいのですとも。
 (↑大人しくしてくれるかはかなり疑問ですが)
 設定でヒロインは……8,9才?(聞いちゃうんだ…)
 とりあえず幼い感じのヒロインにしたかったので、ね。
 欲望の赴くままに書き始めた夢ですが、
 バシバシ二匹のことを書いていくつもりなので(今回少なかったし)
 あたたたたかーい(何!?)目で見ていただければ。
 ・・・・・・皆さんもチビ半魔’s、ワンセットいかがですか?