「あれ?」

 母の作った朝食を口に入れんとせん代わりに疑問を口にした。

 
 「ねぇ、ママ。この子達って何食べるのかな??」

 「………」

 
 スープを口に運びかけていた手はピタリと止まる。

 

 
 
 03.アクマノタベモノ

 

 
 
 何と聞かれたところで母もそんなことまでは知らない。

 
 「…何かしらねぇ」

 
 悪魔が食す物。

 やはり生きたままの獣の肉に食らいついたり、血を啜ったりするのだろうか。

 魂というか、人間の生気というの聞いた事がある。

 が、しかしだ。仮に今想定したものだったとしたら…

 
 (用意できない…)

 
 また眩暈がしてくるのを感じつつ、机上にちょこりと座る悪魔に目をやる。

 空腹なのだろう、膨れっ面で両足をバタバタさせている。

 先ほどが抜けている間に何を食べるのか聞いて置けばよかった。

 の目の前でこの二匹と会話をする訳にいかない。

 思わず舌打ちそうになるのを堪える。

 
 「よーし」

 
 娘は何か思いついたらしい。

 自分の皿にあるバターのたっぷり染み込んだトーストを小さくちぎる。

 
 「はいっ」 

 
 満面の笑みでトーストの断片をひとつずつ二匹に手渡す。 

 にとって彼らは鳥。

 そういうものを食べるかもと期待するのも当然で。

 無理だろうという推測が頭をよぎるが、その光景をあえて黙って見守る。

 

 
 
 
 ぱくっ もぎゅもぎゅ ごくん

 ぱくっ もぎゅもぎゅ ごくん

 

 
 
 
 「……!?た、食べた!!?」

 「わー、食べた食べた!」

 
 驚く母とはしゃぐ娘。

 そんな二人を無視してトーストの欠片はあっという間に悪魔に食された。

 
 「(ー、もっとくれ!)」

 「(…まだ足りない)」

 
 (には通じないが)2匹が訴えながらの服の裾をひっぱりもっととねだる。

 
 「なぁに?まだほしいの??」

 
 は二匹の意思を汲み取ったらしく、またトーストをちぎって与えてやる。

 
 「ねぇママ、他のものも食べるかなぁ?」

 「…そうねぇ」

 
 親子二人でダンテとバージルに色々と与えてみる事にした。



 結果。

 朝食に用意されたものや昨日の夕食の料理等を与えたところ、どれも食べた。 

 つまり調理されたものならばなんでも食べる。

 
 「じゃあがご飯作ってあげればいいね」

 
 そしてその食す量は――

 
 「そうね。…これからは三人前作らなきゃいけないわね」

 
 ――二匹で普通の人間の一人前。

 
 一体あの小さな体のどこに一人前の食べ物が消えたのだろう。

 食べた容積と体の大きさが比例していない。

 胃袋が四次元だったりするのだろうか。

 悪魔の体とは不可解なものである。

 満足気な表情の悪魔達は机上に大の字に寝転がっている。

 最初に推測したものでなくて安堵したのが半分。

 これだけの量を食べて今後の成長が恐ろしいのが半分。

 
 「、はりきって沢山作ってあげるからね、ダンテ、バージル」

 「(おぅ、頼んだぜ!)」

 「(にまかせる)」


 これから双子の悪魔がどう成長していくのか。

 娘はもちろん、母にも予想はつかない。











 「いただきます」と「ごちそうさま」はいえるようになろうね。
 
 
突発的に書いてしまった夢でした。
 もちろんダンテとバージルを知ってれば普通のもの食べるに決まってるじゃんっ
 て、なりますけどもさ。
 「悪魔」って認識しかない母から見れば
 「え、何を食べさせればいいのよ!?」
 ってなるよね普通って思って。
 で、沢山もりもり食べる双子がいいなって思って。
 (どっちかといえばダンテ>バージルがよく食べる)
 書いてる時は楽しかったですが、文章に問題あり過ぎになってしまった…